グルー治療は医療用の接着剤を使用する下肢静脈瘤の治療法
グルー治療の費用は保険が適用されます
グルー治療を選択するメリットとデメリット
グルー治療のメリット
- 局所麻酔の使用量を抑えられること
- 治療後の出血が少ないこと
- 神経障害のリスクを抑えること
- 血栓症を起こしにくいこと
- 治療後にストッキングで圧迫しなくてもいい場合もあること
- 経過次第で当日の入浴も可能であること
レーザー治療や高周波の治療では熱が発生するため、やけどによる痛みを感じさせないために局所麻酔(TLA麻酔)を行っていました。しかし、グルー治療では熱が発生しないため、やけどの心配がありません。そのため、麻酔の量を抑えて治療を行えることがメリットです。
また、レーザーや高周波で熱を加えることで、血栓症を引き起こす恐れがあり弾性ストッキングの着用をお願いしていましたが、グルー治療は熱が発生しないため、経過によっては手術後にストッキングを履かずに過ごすことも可能です。
グルー治療のデメリット
- 症状が中等症以上に進行した症例や複雑な症例には適用できない
- 遅延型アレルギーの発症が懸念される
- 比較的新しい治療法であるため長期治療成績の報告が少ない
小さな傷で痛みを抑えることができるグルー治療ですが、誰にも適用できる治療ではないことがデメリットです。
中等症以上の下肢静脈瘤や複雑な症例の場合は、他の治療法を選択することになります。
グルーの材質により、遅延型アレルギーを起こすことがあることも報告されています。
また、グルー治療は比較的新しい治療法であるため、症例報告が少ないこともデメリットです。治療は2011年ごろから欧米で始まり、アメリカでは2014年にFDA認可を受けています。
グルー治療の痛みやアレルギーについて
レーザー治療より痛みを抑えられる
局所麻酔を行う際に少し痛みはありますが、他の痛みは抑えられます。そのため、手術後に痛み止めを飲まずに過ごせる方もいらっしゃいます。
もし、手術後に我慢できないほどの痛みや異変を感じる場合は再度受診なさってください。
アレルギー症状について
グルーに含まれている「シアノアクリレート」という物質に反応してしまった場合、足の皮膚に発疹やかゆみがでることがあります。アレルギー症状が出た場合、大抵一週間程度で収まる傾向にありますが、症状が長引く場合は内服薬を処方します。
アレルギー反応が強く、薬でも抑えきれない場合は、反応が見られた部分の血管を切除しなければなりません。そのため、花粉や食物アレルギーなど、複数のアレルギーをお持ちの方は別の治療法を検討しましょう。